設立趣旨
一、二十一世紀は明らかに日本の世紀であるとしても、その実現にあたつてその中心となる世界的思想原理の確立と、日本の歴史的伝統の本来的発展としての方向を何よりも必要とする。
もはや世界には文明の公害がいたるところに存在して、かかる事態は次に来る新しい文化的生命を何に発見するかが緊急の問題となっている。
一、GNPがいかに増大しても、それによつては決して世界は救われず、かえつていたずらな対立や抗争を激化する原因となることは、それが物質的利害に関係するからであり、それを越えて、いかに精神的平和を確保するかに全人類の願望がかかつているのである。
しかも、その救済の原理をいずこにも見出しがたい今日、はじめて数千年來日本に包蔵された永遠の大和の道が、西洋の科学技術の最後の指標として、あざやかに全地球的な平和の原則として、探究さるべき段階に到つたのである。
一、日本人はこれまで、いかにも自己を空しくして、あくまでも東洋の諸文化、西洋の文明形態をあくなく撰取し、融合したのは、その奥底に日本の根本理念なる天皇を永遠の光の象徴として、その光源のもとに時代と国境を越え、幾重にも多彩な文化的光輪を放ち來つたことに最大の理由を見るのである。
一、いま世界は地球をめぐつて再び文化の故国へ回帰しようとしており、それが、まさしく〝光は東方より〟の言葉の如く、日出ずる国、日のたださす日本への集中的な研究が全世界になされている。
しかし、未だその中心である天皇文化については、日本人の怠慢にもよるとはいえ、ほとんど見るべきものは少く、たださすがにトインビー等のみは、日本本来の神道に対して異常な関心を示している。
このゆえに今こそ日本は、日本の古道がいかに未來文化に最大の光源たるかを新しく研究解明することを絶対に要請されるところである。
一、以上の理由により、二十年來果したすぐれた事業経営が一応終了する時、さらに二十年前の大変革以上に大きい世界的転換を七〇年代に予期される時にあたつて、これをいかに光栄ある天皇文化の世界的光被を全人類の救済のためになすかに、本研究所はさきの事業を継いで、新しき目的のために最大の寄与をなすことを期待するのである。
1970.11.05
地球文化研究所
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