国家とは畢竟、「元首」と「政治」【ツラン論考8】

こんにちは。
令和史(れいわのふひと)です。

【ツラン論考7】では、

ツラン論考シリーズ執筆の目的として、
皇紀暦制定「前後」の「時と場」の変遷、
即ちロードマップを描くことを目指すと
お伝えしたうえで、

政府樹立の要件たる2本柱として、

統治権の礎たる「ツラン」
統帥権の礎たる「スキタイ」

を掲げることとしました。

政府とは国家を統治する機関とされますが、
広義と狭義で具体的意味に差が生まれ、
国家の違いによっても同様のようです。

それは「間」があることを意味します。
「公差」と言い換えてもいいでしょう。

政府の具体的意味を認識するうえで、
一般に許容される差が存在するということです。

その許容範囲内にて、
ツラン論考シリーズでは、

政府とは国家の統治権と統帥権を統括する機関であり、
国家の「治安秩序」「保険衛生」「信書必着」の向上に
努めることを旨とするものであるとします。

ならびに、
国家の具体的意味も同様に「間」があります。

古来、思想的かつ哲学的に国家論が展開されるも、
国家の具体的意味は変遷しています。

わが日本においても、
時代とともに国民の国家観は大きく変遷しています。

主権論の変遷ともなれば、
政治学の専門家でなければ論じきれません。

国際法においては国家の資格要件として、
モンテビデオ条約が参照されるとされ、

・永続的な住民
・明確な領域
・政府
・他国との関係を結ぶ能力

の4つが明文化されていますが、
米国と中南米諸国が主体の条約のようです。

いずれにせよ、
国家とは何かを客観的に認識するには、
ある意味十分過ぎる「間」があります。

なにはともあれ、
ツラン論考シリーズは国家論を展開する場ではなく、
概念の細かい定義を行わないことを旨としますが、
敢えて国家の具体的意味を述べるとすれば、

国家とは畢竟、
「元首」と「政治」であると考えます。

落合史観に照らせば、
「國體」と「政体」です。

畢竟という言葉を用いた理由は、
私の認識の「限界」を示さんがためであり、
限界を認めたうえで「問い」続けることで、
限界突破する覚悟を示すものでもあります。

政府同様、
許容範囲内で具体的意味を整理するものであり、
決して「定義」するものではありません。

定義するという行為は「問い」を妨げます。

定義された事柄はそれこそAIに任せてしまって、
今や「問い」続けられる領域を楽しむことにこそ、
人生の至高の価値を見出すことができます。

その領域が「間」ではないでしょうか。

武道の経験がある方はイメージしやすいかと思いますが、
立ち会う双方の身体能力、技術力、精神力、胆力など、
なにかしらの力量の差の組み合わせによって、
とるべき「間」はいくらでも変わりますし、
立ち会う「時と場」の違いによっても変わります。

その「間」に生じる僅かな差を相手に先んじて読むことに
武道の醍醐味があるのであって、勝敗は二の次です。

「間」を「読む」とは、
「間」を「問う」と言い換えることもできます。

分からないことを「問う」のですから、、、。

誰に「問う」のかと言えば、
お互いの「実力差」と立ち会う「時と場」にです。

したがって、
相対的に実力が上の方が必ずしも勝つとは限りません。

現実社会においても同様で、
なんとなしに使っている国家や政府という言葉であっても、
今でも「問い」続けることができる「間」があるのです。

いかなる高名な学者であっても定義し切れるものではなく、
人間、五十歩百歩です。

そのうえで続けますが、

ここでいう「元首」とは、
必ずしも一般的な意味に限られる存在ではなく、
建国以来、一貫して存在し続ける概念であり、
尚且つ国家が続く限り絶えることのないものです。

わが日本では、皇紀元年以降、
元首たる天皇が政治をオミに付託することで、
建国事業を成し遂げてきました。
現在は政治をタミに付託する形式です。

王が元首たる国家も同様でしょう。
欧州や中東の王侯貴族は天皇の型示しに倣うところ。
ロシアもロマノフ家の影響下にないとは言えません。

共和制の国家であれば大統領が元首とされますが、
米国を例に挙げれば、
米国に一貫して存在し続ける概念は「軍」です。

建国の父の半数以上が大陸軍に従軍し、
初期大統領の面々が軍人であることに加え、

強大な軍事力を背景に基軸通貨を維持する
現在の米国のあるがままを見るにつけても、
米国の元首は「軍」であると看做せます。

相対的にでも米国が軍事力を失うことがあれば、
おそらく国家として承認されないでしょう。

お隣の北朝鮮も同様ですが、
韓国もまた元首は「軍」であると看做せます。

ここで詳細を語ることはできませんが、
戦後の朝鮮半島では、
「軍」とりわけ「傭兵」をもってして、
一貫して存在し続ける概念としています。

はたまたフィクションではありますが、
漫画『沈黙の艦隊』では、
元首の存在とその政治力の発揮のみにより、
独立戦闘国家「やまと」を誕生させています。

元首の例えが「軍」に偏ってしまいましたが、

絶対君主制のバチカンは特殊であるとしても、
元首たる最高指導者が政治をタミに付託するイランに
一貫して存在し続ける概念は「宗教」です。

変遷する中国の政体を一貫して維持している概念は
「華僑ネットワーク」です。
「華僑ネットワーク」を元首と見做せるかどうかは、
墨家思想を含めた別の「問い」が必要かもしれません。

さて、そろそろ、
「ツラン」を冠した記事であるにも関わらず、
未だにツランが登場しないことに苛立つ方も
いらっしゃるでしょう。

しかしながら、
国家の具体的意味を整理せずにおいて、
ツランのロードマップを描くこと能わず。

古来、建国のような大事業に伴う
インフラ部門の土台づくりを本領とする民族

即ち、
古代の大規模事業を支えたワンワールド職能機構

それが、ツランだからです。

さらには、

筆跡を残さずとも考古学的痕跡から
その広範な活動と影響が確認できる民族

尚且つ、
修験であり世界最高の傭兵派遣機構

それが、スキタイだからです。

ツラン論考シリーズの執筆するうえにおいて、
国家の具体的意味の整理は避けて通れません。

そのうえで、
政府樹立の要件たる2本柱、

統治権の礎たる「ツラン」
統帥権の礎たる「スキタイ」

が描いたロードマップを追うことができます。

ツランとスキタイが描いたロードマップは、
皇紀暦制定「前」の古を稽えるために、
欠かすことのできない燈となります。

その燈はワンワールド史のみならず、
今を照らし、そして未来をも照らし出す
ことができると確信しています。

次回、漸くツランに筆を進めることになります。

それでは、また。

令和史(れいわのふひと)

P.S .

昨年末にお伝えしておりますが、
時期が近づいてきましたので、
再度、ご案内します。

洞察帝王学講座・改2681は、
現在配信中の【第四期】をもって、
終了することになりました。

落合先生のご体調をはじめ、
落合先生を取り巻く環境の変化により、
弊社が運営する落合先生関連事業は、
縮小せざるを得ない状況となりました。

そのため、毎月のコンテンツ配信は、
2025年9月号をもって終了し、

既存の落合先生関連コンテンツのご提供につきましても、
「すべて」2025年9月末日をもって終了します。

具体的な対象は次のコンテンツです。

■洞察帝王学講座・改 2681
■洞察帝王学講座・改 2681【第二期】
■洞察帝王学講座・改 2681【第三期】
■洞察帝王学講座・改 2681【第四期】
■【単品購入】洞察帝王学講座・改2681
■落合洞察塾収録映像
■落合洞察史観大系シリーズ
■落合流洞察帝王学指南
■口伝・吉薗周蔵手記
■インペリアル・アイズ
■インテリジェンスサミット収録映像

以上のコンテンツの新規購入締切を
2025年9月末日とします。

それまでに購入されたコンテンツは、
2025年10月以降もご視聴頂けます。

2025年10月以降は、
落合先生のご体調や研究の状況に応じて、
単発での新規コンテンツをご提供します。

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