四周年のご挨拶

令和5年9月17日をもって、
弊社は創設から四周年を迎えます。

弊社創設は令和元年9月17日。

爾来、

理念追求の過程で得た高度な知見の数々を、
当社の理念に共鳴する個人や組織に提供し、

理念を共有する強固なコミュニティを形成することで、
戦略的に新思想体系確立を実現する事業を展開しています。

この弊社理念について、
よく誤解されることがあるので、

四周年のご挨拶として、
改めて強調しておきたいことがございます。

弊社は、

天地自然にとって私達人間、
そして人間社会があるべき本当の姿を追究し、

天地自然との調和を実現する新しい思想体系を
確立するために存在する会社であり、

いわゆる、

「世の中の真実」を明らかにする会社でもなければ、
「世のため人のため」に存在する会社でもありません。

語弊がないように言い換えますと、

「世界を変える」とか、「人々を救う」とか、
そういった「大義」をかざしていないということです。

ただひたすらに弊社理念を追究しています。

その理念追究も丸四年経過したところですが、
現時点で、人類社会のあるべき姿は何かと問われれば、
私は「何もしない」ことであると答えるでしょう。

厳密には、
在るがまま成るがままを受け容れるとともに、
「結果として何もしていない」状態こそが、
あるべき人類社会であろうと考えています。

その理由を、
オイゲン・ヘルゲル著『弓と禅』から引用して、
ご説明いたします。

同著の冒頭、

狙うものと狙われるもの、
射あてるものと射あてられるものがひとつになること、

つまり、
常に不動の中となるということが述べられている場面です。

——————————–
(以下、引用)

すなわち術は術のない術となり、
射ることは射ないこと、
言い換えれば弓矢なしで射ることとなる。

さらに師範は再び弟子となり、大家は初心者に、
終局は発端に、そして発端はすなわち完成となるのである。

東洋人にはこの不思議な表現形式はしごく明瞭で、
とく知られた事柄である。

(引用ここまで)
——————————–

されど、これだけの説明では、

「結果として何もしていない」状態を
イメージすることは困難でしょう。

引き続き、
『弓と禅』から引用して補足します。

著者が弓の稽古に苦心している場面です。

——————————–
(以下、引用)

そこである日私は師範に尋ねた、
「いったい射というのはどうして放されることが
できましょうか、もし”私が”しなければ」と。

「”それ”が射るのです」と彼は答えた。

「そのことは今まですでに二、三回承りました。
ですから問い方を変えねばなりません。
いったい私がどうして自分を忘れ、
放れを待つことがきましょうか。
もしも”私が”もはや決してそこに在ってはならないならば。」

「”それ”が満を持しているのです。」

「ではこの”それ”とは誰ですか。何ですか。」

「ひとたびこれがお分かりになった暁には、
あなたはもはや私を必要としません。
そしてもし私が、あなた自身の経験を省いて、
これを探り出す助けを仕様と思うならば、
私はあらゆる教師の中で最悪のものとなり、
教師仲間から追放されるに価するでしょう。
ですからもうその話はやめて、稽古しましょう。」

(引用ここまで)
——————————–

”私が”ではなく”それ”が射るとは、
一体どういうことなのか、、、。

”それ”が謎を解くキーワードであることが明白です。

師範の言葉のとおり、
たゆまぬ稽古において到達する以外にないのですが、
ただひとつ直感できることがあります。

”それ”が満を持したその瞬間を終局とみれば、
終局即ち発端であるからして、
「何かが生(ウ)まれる」ということです。

ゆえに、
師範は再び弟子となり、大家は初心者になるのです。

そして、”それ”が満を持したからこそ、
射あてるものと射あてられるものの関係が完成するのです。

ところで、直近の風猷縄学の稽古にて、
わずかながら言霊学に触れることができましたので、
小笠原孝次著『言霊百神』から引用します。

「何かが生(ウ)まれる」の意が
すでに説明されているからです。

『言霊百神』17ページ
開闢(中今の意義)(母音半母音)
天地(あめつち)のはじめ(初発)の時

からの引用になります。

——————————–
(以下、引用)

天地(あめつち)は今此処で絶えず開闢しつつある。

『古事記』が説く「天地のはじめ」とは
天文学や歴史の上の観念で取り扱うところの事物の初めを
云っているのではない。

『古事記』「神代巻」は必ずしも過ぎ去った大昔の事を
取り扱っているわけではない。

今が、そして此処が、すなわちnow-hereが
恒常に天地の初めの時であり場所である。

すなわち天地は実際に今、
此処で絶えず剖判し開闢しつつある。

その今を永遠の今と云う。

この事を禅では
「一念普く観ず無量劫,無量劫の事即ち如今」
(『無関門』第四十七即」)などと云う。
「永劫の相」(スピノザ)とも云う。

そしてその場所が常に宇宙の中心である。
この今、此処を「中今」(『続日本紀』)と云う。

この始原である中今から天地は瞬間に剖判して、
忽然として森羅万象を現出する。

言霊麻邇はその瞬間に活動する生命の知性の内容であり
その原律である。

この恒常の天地の初めである「中今」を把握することが
あらゆる事物をその根源から理解する上の正規の出発点である。

仏教、キリスト教、儒教等の古来の哲学宗教の修証である
「空」「悟り」「救われ」「天」などと云われる宗教上の
体認はすべて此の中今を把握することに他ならない。

そしてこの中今と云う天地のはじめの把握が神道に入る門であり、
神道の出発点である。

布斗麻邇とはこの「空」である中今の精神的大宇宙、
法界の中に活源する人間生命の自覚内容、
すなわち、『般若経』で云う「諸法の空相」と
『法華経』で云う「諸法の実相」の原理と原律のことであり、

並びにその原理原律を人間の自覚と自主自律性の下に
社会国家に活用して行く方法を云うのである。

(引用ここまで)
——————————–

いかがでしょうか、、、。

オイゲン・ヘルゲル著『弓と禅』
小笠原孝次著『言霊百神』からの引用ばかりで、
もはや私の文章ではなくなってしまいそうですが、

そもそもの引用の目的は、

「結果として何もしていない」状態を
イメージすることでした。

私の解釈ではありますが、

「今が、そして此処が、すなわちnow-hereが
恒常に天地の初めの時であり場所」であり、

「この始原である中今から天地は瞬間に剖判して、
忽然として森羅万象を現出する」のですから、

「結果として何もしなくていい」という
ひとつの結論を導き出せるかと思います。

もちろん、全く何もしないということではなく、
神道でいうところの「中今の把握」は必須になりそうです。

ここで、『弓と禅』のキーワード”それ”に戻ります。

「”それ”が満を持する」ことを「中今の把握」とみなせば、
”それ”の正体に近づけそうではないでしょうか。

あともう少しなので、今一度、

『言霊百神』22ページ
高御産巣日神【言霊ア】
神産巣日神【言霊ワ】

から引用します。

——————————–
(以下、引用)

天之御中主神ウは渾然たる一者であるが、
この一者から初めて天地が剖判を開始する。

天地が剖れてアとワに対立すると云うことは、
吾と我(汝)の二つに剖れると云うことである。

易の「陽儀と陰儀」「主体と客体」「主観と客観」
「積極と消極」「霊と体」「精神と物質」と云う
始原の対立する二者として宇宙が先ず剖判した姿である。

ウ・ア・ワの三音を造化三神と云う。

宇宙がこのように三者に剖れたと云う事は、
それが人間の知性を以てその様に判ったと云う事と
同時不可分の消息である。

客観的な宇宙の剖判と主観的な認識の判断とは
一事実の表層両面であって、
どちらか片方だけでは事実にならない。

天之御中主(ウ)と云う渾然たる始原の一者が
活動を開始する時、

忽ち宇宙はこの「見る者」と「見られる者」、
「知る者」と「知られる者」の両者に剖判する。

この事は人間の知性に定められた第一の宿命である。
布斗麻邇に於ける原則の第一である。

(引用ここまで)
——————————–

いかがでしょうか、、、・

『弓と禅』の冒頭、

「狙うものと狙われるもの、
射あてるものと射あてられるものがひとつになる」

この謎も氷塊するのではないでしょうか。

つまり、

”それ”が満を持した時とは、

天之御中主(ウ)と云う渾然たる始原の一者が
活動を開始する時とみなせば、

”それ”の正体は「始原」、
とりわけ言霊学においては布斗麻邇であると
洞察できるのです。

さて、引用に頼ってしまったこともあり、
大変長文になってしまいました、、、。

ここまでお読み頂き、ありがとうございます。
弊社創設四周年を記念してのメルマガということで、
ご容赦くださいませ。

この日をなくして、
弊社理念をお伝えする機会はないのですから。

繰り返しますが、弊社は、

天地自然にとって私達人間、
そして人間社会があるべき本当の姿を追究し、

天地自然との調和を実現する新しい思想体系を
確立するために存在する会社です。

現時点で、
人類社会のあるべき姿は何かと問われれば、

在るがまま成るがままを受け容れるとともに、
「結果として何もしていない」状態と答えますが、
「始原」を追究することが必須となります。

そんなにも壮大で達人の領域に到達するなんて不可能と
言い切る方もいらっしゃるかもしれませんが、

「東洋人にはこの不思議な表現形式はしごく明瞭で、
とく知られた事柄である」のですから、

決して不可能ではないと信ずるものです。

これからも、弊社理念に共鳴される方、即ち、
吾と我(汝)の間で何かが「鳴る」ようでしたら、
ともに理念追究に邁進しましょう。

きっと、あなたとでしたら、
開闢の出発点に立てるものと確信しています。

さて、弊社5年目にお届けするプロジェクトを
ご紹介しますので、ご確認くださいませ。

年内にリリース予定の新プロジェクトもございます。

それでは、どうぞ。

■洞察帝王学講座・改2681

天与の洞察力を持つがゆえに帝王学の秘史を解明し続ける
落合莞爾先生とともに、洞察史観の宇宙を逍遥する講座です。

そもそも、「負けるが勝ち=競わず争わず」とは、
諏訪の軍法として落合先生から学んだことであり、

落合史観の学びを通して、
「狙うものと狙われるもの、
射あてるものと射あてられるものがひとつになる」
歴史事象をいくつも確認することができます。

その事象は、
八百長と言い換えることもできるでしょう。

これからも、
弊社理念の追求には落合先生の知見は必須です。

【第三期】参加者募集は、
2023年10月1日を目安に、
【第二期】参加者を対象として、
準備でき次第開始します。

【第三期】参加価格は、
99000円(税込)となりますが、

【第二期】から継続される方には、
55000円(税込)にてご提供いたします。

ただし、【2023年10月31日】までに、
【第二期】から【第三期】にご継続頂いた方
限定価格となりますことをご了承お願いいたします。

さらに、
【第二期】から【第三期】ご継続限定プレゼントとして、
11月11日(土)落合莞爾&華頂博一対談講演会@東京に
無料ご招待いたします。(※先着100名限定です)

対談講演会当日どうしても都合が合わない方、
満席となって申込みが間に合わなかった方には、

収録映像を無料でご視聴頂けるよう手配いたしますので、
ご安心くださいませ。

もちろん、対談講演会に参加された方にも、
収録映像をご視聴頂けるよう手配いたします。

これから【第二期】に参加される方はこちら。
https://www.st-inst.co.jp/dousatsuteiou/2681/2nd.html
※【第三期】申込みフォームではございません。

■風猷縄学

風猷縄学とは、ここに参集する者一人ひとりが、
克己自立を成就するための透徹史観を磨くことを理念とします。

弊社理念を追究する「核」となるプロジェクトであり、

「養い、教え、禁じる公の原義」を究め、
「公の中の私」を生きる人財を養成する
唯一無二の稽古場でもあります。

その第一義は、

——————————–
イニシエをカンガヘ(稽)て、
風猷すでにスタレたるをタダ(縄)し、
今に照らして典教これタ(絶)へむとするに
オギナ(補)わずと言うことナ(莫)し。
——————————–

古を稽える=原初文明を追究することを主軸とし、
稽古に参集する各人の有職故実、家督継承に資するものです。

原初文明を追究することで、
自ずと文明が剖判した姿を洞察するに至り、
自らの出自の剖判した姿をも見透かすことが
できるものと確信しています。

現在、新規メンバーの募集は行っていませんが、
機が熟せばその限りではございません。

■天縄文理論関連動画コンテンツ

「皇の時代」を幸せに生きるための具体的方法と理論を
動画コンテンツとしてお届けするプロジェクトです。

天縄文理論のコンセプトともいえる、
「自立」、「絶対的自由」、「今ココ」、「干渉しない、させない」
などといった概念は弊社理念追究の大きな助けとなります。

現在、お届けしているコンテンツは、
徹底解説・天縄文理論シリーズと
天縄文理論【理論継承・進可編】シリーズの二本です。

徹底解説・天縄文理論シリーズ第一弾はこちら。
https://www.st-inst.co.jp/tenjoumon/introduction/

天縄文理論【理論継承・進可編】シリーズ第一段はこちら。
https://www.st-inst.co.jp/tenjoumon/shinka/

10月上旬には、
天縄文理論【理論継承・進可編】第六章をリリース予定です。

■真田幸光塾

国際金融の最前線を戦った現代の真田(真田幸光氏)が、
激動の時代を生き抜く三つの方法を伝授する講座です。

其の一が、
王室を頂点とした世界の本当の仕組みを理解する。

其の二が、
鎖国をしても生き抜ける国家づくりを民間から主導する。

其の三が、
激動の時代を生き抜いてきた一族の末裔から直接学ぶ。

真田幸光塾は新年1月以降、第三期に入りますが、
三本の軸のうち「其の二」に注力したプロジェクトを
展開する予定です。

つまり、
中小企業の最大の特徴を活かすギルドをつくります。

優秀な中小企業が、
パッチワークのように日本全国、
様々な業種に分散、活躍すれば、

日本の産業ポートフォリオは、
安定的で堅牢なものになるのです。

真田先生の最大の魅力は、中小企業を熟知し、
高度な技術を持つ経営者との強い信頼関係を
築いていることにありますから、

真田幸光塾は第三期からが本格始動となるでしょう。

第三期の詳細につきましては、
今しばらくお待ちくださいませ。

真田先生の最新講義映像はこちらから。
https://st-inst.co.jp/sanada/seminar/07_sanada_2nd_seminar3_0805_keynote.html

■新プロジェクトの予告

今春、私はある人物に出会いました。

それは、

「仏教は100年後にはなくなるよ」
から始まった「深淵な思考の旅」との出会いであり、

呼吸をしているものたちすべてと「役割」で
つながってみようという発想との出会いであり、

水は生物であり、「大いなる記憶の母体」である
とする解放された創造との出会いでもあります。

その姿は、
自らの宇宙の天地開闢を行おうとしている人物とも
いえそうです。

全く新しい価値観を創造しているのですから、、、。

まだまだ準備中ではございますが、
年内を目安に、その人物と弊社で協力して、
全く新しいコンテンツをお届けする予定です。

なにはともあれ、
弊社理念追究の「核」となる新プロジェクトとして、
大いに期待できます。

今後のご案内をお見逃しなく。

今のところ、
弊社5年目にお届けするプロジェクトは以上です。

これからもご愛顧のほど、
何卒、よろしくお願い申し上げます。

それでは、また。

戦略思想研究所 中森護

P.S.

各プロジェクトとの関連性を簡潔にするため、
無料版メルマガの名称を次のとおり変更します。

■名称変更その1
(変更前)新時代の戦略思想メルマガ
(変更後)徹底解説・天縄文理論【無料版】

■名称変更その2
(変更前)真成長戦略【無料版】
(変更後)真田幸光塾【無料版】

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