こんにちは。
戦略思想研究所 中森です。
今年も年の瀬が迫り、
お忙しくしていることと思います。
そんな中ではありますが、
弊社は事業モデルを刷新します。
今年の9月17日をもって、
弊社は創業7年目に入りました。
第7期の主題は、
「“間”を会得する」
副題としては、
「すぐに動かず、すぐに喋らず、すぐに答えず」
コンテンツ配信を主とした価値提供から、
弊社だからこそ構築できるコミュニティ環境を整え、
コミュニティ参加型の事業を軸とした事業モデルに
「じっくりと」転換していきます。
そもそも、弊社の事業は次の3本柱。
・メディア事業
・教育事業
・コミュニティ事業
弊社の限られたリソースの中で、
事業を継続していくために、
臨機応変に重点を移します。
つきましては、
抜本的な事業モデル改革の一環として、
既存の風猷縄学関連コンテンツのご提供を
令和7年12月28日にて終了します。
対象コンテンツは、
・風猷縄学<稽古編>
・風猷縄学・改<稽古編>
・風猷縄学 稽古編【第三期】
・風猷縄学 稽古編【第四期】
・風猷縄学<伝授編>序から第十編
以上、令和7年12月28日をもって、
コンテンツの「ご提供」を締切ますが、
締切日までにご参加済みの方は、
令和7年12月29日以降もメンバーサイトから、
いつでもコンテンツにアクセスして頂けます。
これらすべてが、
落合莞爾先生が國體舎人と呼称する情報源に
つながることができる唯一のコンテンツです。
決して独占しているわけではありませんが、
必然的に弊社だけがご提供できるものです。
令和7年12月29日以降、
言葉のとおり、二度と手に入りません。
さらに、弊社公式ブログより、
・修験子栗原茂シリーズ
・文明地政學叢書第一輯『歴史の闇を禊祓う』
・文明地政學叢書第二輯『超克の型示し』
・文明地政學叢書第三輯『真贋大江山系霊媒衆』
を令和7年12月28日にて非公開とします。
手動で非公開としますので、
期日を超えてもしばらくアクセス可能ですが、
お早めにお読みくださいませ。
それでは、新年以降、
展開予定のコミュニティ事業をご案内します。
■風猷縄学・稽古編
新年以降、第五期として継続する予定ですが、
新年1月から6月の半年間、
いかなるコミュニティを目指すかを模索する
モラトリアム期間を設定します。
風猷縄学が弊社中核事業として存続し続けるためには、
参集する稽古仲間が求めるコミュニティ環境を整える
必要があります。
同時に、
「すぐに動かず、すぐに喋らず、すぐに答えず」
私の存在感を薄くしていく必要があります。
無為自然です。
参集する稽古仲間が求める風猷縄学に改革しつつ、
弊社の理念に沿ったコミュニティに収まるか否か。
弊社でなければならないのか、弊社で実現可能か。
落とし所を探っていきたいと思います。
私の個人的な風猷縄学は修験子との対話を通して磨き、
コツコツと【ツラン論考】として記事にしていきます。
数十年後、数百年後の「時と場」にふさわしい、
ワンワールド史の「編集」を目指す所存です。
風猷縄学の由来は『古事記』序文
イニシエ(古)をカンガ(稽)へて、
風猷すでにスタ(頽)れたるをタダ(縄)し、
今に照らして典教これタ(絶)へむとするに
オギナ(補)わずと言うことナ(莫)し。
それは、
天武天皇の詔勅『帝紀を撰録せしむる詔』
朕聞く。
諸家の齎す所の帝紀及び本辭は、
既に正實に違ひ、多く虚偽を加ふと。
今の時に當たりて、其の失を改めずば、
未だ幾年を經ずして、其の旨滅びむと欲す。
斯れ乃ち邦家の經緯にして、王化の鴻基なり。
枯れ惟れ帝紀を撰錄し、舊辭を討覈(たうかく)して、
偽を削り實を定め、後葉に流(つた)へむと欲す。
を承けたものだと自負しております。
■仲小路彰関連事業
この度、
「昭和の天才」の異名を持つ仲小路彰(1901〜1984)の
戦後未公開資料を取り扱う好機に恵まれ、弊社事業として企画に
入る算段となりましたので、ご案内します。
一方、
仲小路彰について詳しくないという方が大半だと思いますので、
2006年11月5日発行
『団塊パンチ vol.1 no.3』
に掲載された川添象郎回想録を引用します。
川添象郎(1941〜2024)については、
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、
象郎の父浩史(1913〜1970)は、
後藤象二郎の孫です。
麻布「キャンティ」のオーナーとしても
知られています。
象郎は後藤象二郎の曾孫ですから、
名前の由来も容易に想像できます。
象郎が和光学園を卒業したころ、
浩史は光輪閣の総責任者を務めていたとのこと。
第二次大戦後、浩史は渋沢敬三とともに計り、
高松宮様の御邸宅を文化振興のための迎賓館として
貿易庁に預けるという名目を用いることで、
GHQの接収を免れ、光輪閣が設立されたとのこと。
象郎はその光輪閣に毎日通っていたというのです。
前置きはこのあたりにして、
川添象郎回想録を引用に入ります。親父は戦前に、
仲小路彰という在野の学者と知遇を得て、
その思想に傾倒した。そして親父は、
ヨーロッパにおけるファシズムの台頭に
戦争の始まりを予感し、大戦勃発の寸前に、
パリでの遊学を切り上げ、母と共に帰国。知遇を得た仲小路先生の推挙で、
高松宮殿下の国際関係特別秘書官に
任じられたらしい。仲小路先生は、なんと、
世界がナショナリズムの真っ只中の時代に、
すでに地球時代(今でいうグローバリズム)の
到来が人類の未来の必然であることを提唱し、
研究をしていた。おそらく世界で最初のグローバリズムの概念を
掲げた未来学者といえる人物ではないだろうか。僕は子供時分に親父に連れられて
仲小路先生にお会いし、
まるで神話に出てくる仙人のごとき風貌と、
厚いレンズの眼鏡の奥からのぞく、
先生の限りない慈愛に満ちた眼差しを
忘れることが出来ない。その後、僕の人生の転機に、
親父はいつもなにか用事を作って、
僕を仲小路先生の研究所に使いに出した。先生のお宅に着くと、まず、
かならず食事をお手伝いの方が
用意してくれていた。食事が済むと、
ニコニコしながら先生が現れ、「象郎さんは、元気ですね、、、
最近は、どうしていますか?
お話ししましょうね」と、いろいろなことを尋ねてくださる。
「人にとって、対話ほど大事なことはありません。
人と人との対話、国と国との対話、人と自然との対話、
そして、地球との対話、、、
まず、相手のお話をよーく聞いてください、、、
そうしたら、自分も心よりお話することが出来ます」「対立は破壊を生み出します。
宗教も、思想も、哲学も、人種概念も、経済も、
対話の心を持たなければ対立を作ってしまいます。
人類の文明は、これまでは、
ホモ・サピエンス(思考する人間)の時代でした。
二一世紀からは、
ホモ・ファーベル(創造する人間)として、
国の概念や、民族的こだわりを超えて、
地球文明時代をかたち創らねばなりません。
宇宙から見える地球には、
世界地図にある、国を分ける線は見えません。
人間が勝手に線引きしている時代は、
もう終わりました」一九六八年に伺ったときには、
「象郎さん、、、共産主義社会は、
その原理自体が内包している経済的矛盾により、
今世紀中に必ず、崩壊します」と、予言の如く言明されたことを鮮明に記憶している。
そして、そのとおりに、
ベルリンの壁は、約十数年後に消失した。一神教的文明時代の限界も、
これを超えなければ人類の未来は創り出せないことを
情熱的にお話ししていただいたことも、
僕は決して忘れない。旧制五校の同窓生であった、
戦後最長の内閣総理大臣・佐藤栄作も、
在野にありながら聡明で純粋な仲小路先生を畏敬し、
「日本のあるべき未来像」に関してのアドバイスを
受けに、先生が居住し、研究所としていた山中湖まで
何度も訪れている。一九六九年に、
僕が「ヘアー」というロック・ミュージカルを
プロデュースしていたとき、
のちに世界的に活躍をしたテクノポップバンド
YMOのリーダーである細野晴臣君を、
仲小路先生に紹介したことがある。彼は、一度の出会いで、
先生の精神的気高さに打たれ、
「生涯で最も影響を受けた人」
と述懐している。仲小路先生は、東大の学生時代、
すでに英語、ドイツ語、ラテン語、フランス語、
アラビア語、ロシア語に精通し、哲学書・歴史書・地理学・民族学・科学・芸術書などを
原語で読破、各民族の特性を研究した上で、
日本人とその歴史を客観的に把握し、
独自の地球未来学と日本人の果たすべき役割を説いていた。驚くべきことに、戦前、
すでに現在の地球環境問題、サイバネティクス社会までも
視野に入れた、時代をはるかに超えた研究している。2006年11月5日発行『団塊パンチ vol.1 no.3』より
仲小路彰の著作は膨大で、
全42巻のシリーズ『世界興廃大戦史』ほか、
一人の人間が著作したものとは到底思えない、
とも象郎は回想しています。
私も可能な限り『世界興廃大戦史』を手に取り、
【ツラン論考】でも引用してきましたが、
この度、取り扱うことになった戦後未公開資料は、
その内容、量ともに想像を遥かに絶します。
さらに、私が自ら足を踏み入れたわけではなく、
結果的に「白羽の矢」を立てたられた形であり、
戦後未公開資料を管理する方とも意気投合し、
共同研究事業として企画を構築する予定です。
新年1月から企画を練りますので、
どのような事業になるかはご案内できませんが、
参加型の共同研究事業になるかと思います。
詳細のご案内は数ヶ月先になるかと思いますが、
楽しみにお待ちくださいませ。
■象遊社
象遊社は私が密かに最も楽しみにしている事業で、
何よりも「じっくり」と進めています。
柳木俊介氏は、
「変わらない本当の自分」
という近代的な幻想を手放すことを提唱し、
「私」とは、
あらかじめ内に存在する実体ではなく、
情報の海の中に生じる「渦(魂)」の
旋回運動によって、
その都度立ち上がる「現象」であると
考えています。
さらに、あくまで、
物事を完全に理解しきらないこと、
対象に近づきすぎないことで、
世界を
「終わらせずに関わり続けられる遊び場」
として保つことを提唱しています。
そのうえで、
固有の「象」を持つ個人が、
互いの「象」を認め合い、
共鳴し合いながら協働する「ギルド」や、
象が自由に現れ、
応答し合える「呼吸圏」の創出を目指しています。
それが、どんな世界観というと、
「互いの呼吸と響きに即興で応じ合う、
終わりのないジャムセッション」
とでも表現すべきでしょうか。
開かれた空間に投げ出され、
突然、相互編集が始まるような感覚。
柳木氏とお話しするといつもそうなります。
面白すぎて、ワクワクが止まりません。
おそらく、
象遊社を事業化しようと考える会社は、
弊社をおいて他にないでしょう。
ともかく、新年1月以降、
象遊社の核となるメンバーから徐々に動きはじめ、
ギルドを「じっくりと」広げていくことになります。
進展がありましたら、
随時、ご案内いたしますので、
楽しみにお待ちくださいませ。
新年以降、
展開予定のコミュニティ事業は以上となります。
それでは、また。
よいお年をお過ごしくださいませ。
戦略思想研究所 中森護